2019.11.20

ニュースリリース

2019年度 中間決算報告

連結経営成績

2019年度 中間決算は減収減益

日販グループ(連結子会社数26社)の2019年度中間決算の売上高は250,820百万円。
雑誌・書籍の店頭販売の落ち込み、廃業店等の増加により5.0%減、13,238百万円の減収となりました。

営業利益は、取次事業、小売事業を中心に固定費の削減に取り組んだ結果、全体では1,072百万円(対前年88.3%増)となり、503百万円の増益。経常利益は1,116百万円(対前年73.6%増)となりました。

特別利益1百万円、固定資産除却損や店舗閉鎖損失等の特別損失206百万円及び法人税等を加減した、親会社株主に帰属する中間純利益は138百万円(対前年62.8%減)、234百万円の減益となりました。

施策の概況

2019年10月より、日販グループホールディングス株式会社を親会社とした持株会社体制に生まれ変わりました。ホールディングス体制への移行の第一義は、取次事業の再生、すなわち、「本業の復活」です。本を通じて人々の心に豊かさを届け続けるために、取次事業の改革に専念し、出版業界のインフラとしての使命を果たしていきます。
また、3か年計画である中期経営計画「Build NIPPAN group 2.0」が折り返し地点を迎えました。「本を起点に広がる可能性に挑戦する」のコンセプトのもと、「本業を支える事業の成長」にも引き続き取り組んでまいります。

■「本業の復活」に向けた取り組み
〇書店店頭施策
2019年4月~9月の書店店頭売上は、対前年97.5%となりました。前年超えには至りませんでしたが、ビジネス書で102.3%、コミックスで101.8%と、好調を維持しているジャンルもあります。
ビジネス書については、インセンティブ付き増売企画「ビジネスライフ」を実施しました。またコミックスについては、店頭での「1巻試し読み」施策や、日販がセレクトしたネクストブレイクタイトルをアイラインで面陳列することで商品訴求をする「レコタイ」など、読者と新しいタイトルとの出会いを生む施策に取り組んでいます。

〇マーケット需要に基づいた仕入施策
発売前の商品に対する書店の申し込みを確約するサービス「アドバンスMD」は、実施銘柄と未実施銘柄を比較すると、発売2か月後の売上率において、実施銘柄の方が4.5pt高い結果となっています。
お客様に対する予約を確保するサービス「近刊予約」では、現在、全新刊の約8割の銘柄の予約が可能です。一部のグループ書店において、専用の告知物を用いて、店頭でお客様への予約促進を実施し、書籍売上の底上げに取り組んでいます。

〇書店マージン改善の取り組み
書店マージンを高める新しい形の取引として、「低返品・高利幅スキーム」に㈱ポプラ社と取り組んでいます。グループ書店約90店舗で、同社の児童書を対象に返品率の目標を設定し、その結果に応じて、書店マージンを改善する仕組みです。
また、店頭に必要な在庫を自動で欠品補充する発注代行サービス「リリーフA(エース)」を活用し、既刊商品の売り損じを防止しています。2019年4月~9月までの実施店の実績を前年と比較すると、POS売上は増加トレンドにありながらも、返品率は約7pt減少しています。この取組について、他数社にもご賛同いただいており、拡大に向けて協議を進めているところです。より裾野を広げていくため、成功モデルの構築を目指します。
過去のヒット作を集中販売し、売上の再燃に取り組む「ReB∞T(リブート)」では、高料率のインセンティブを付加し、書店店頭での多面陳列を徹底します。実施銘柄の点数は、60点を超えました。今年度末には、100点を超える見込みです。

〇新たな顧客体験の創出
本と出会うための本屋「文喫」は、優れた顧客体験を設計・実現したサービス・プロダクトに贈られる「CX AWARD 2019」を受賞しました。「入場料のある本屋」という新しい概念で、「本と出会い、向き合い、購入してもらう」という一連の体験を通じて「本を選ぶ豊かな時間」を提供した点が評価されました。
また、「文喫」とブックホテル「箱根本箱」は「グッドデザイン・ベスト100」を受賞しました。特に「文喫」は、特別賞である「グッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)」に選出され、「本を選ぶ豊かな時間」や「本との偶然の出会い」を演出する空間として高い評価を受けました。
2019年11月には、「家族×学び」をテーマにした新しい本屋「BOOK PARK miyokka!?」(ブックパークミヨッカ)を、イオンタウン四日市泊(三重県四日市市)にオープンしました。「家族のためのこれからの本屋」のモデル構築を目指します。

〇WEB小説の書籍販売
日販アイ・ピー・エス㈱は、2019年8月より、LINE㈱が運営する小説プラットフォーム「LINEノベル」の新たなレーベル「LINE文庫」および「LINE文庫エッジ」の発売元として、同レーベルの書籍販売を開始しました。作品販売を通じて、出版市場の新たな可能性に挑戦してまいります。

■「本業を支える事業を成長させる」取り組み

〇文具女子博
“見て・触れて・買える”文具イベントとして、日本最大級の規模を誇る「文具女子博」から派生したイベント「文具女子博 #インク沼」を2019年8月に開催し、大盛況となりました。2019年12月開催予定の「文具女子博2019」は「文具浪漫」をテーマとして、懐かしさの中にも新しさを感じさせるレトロモダンな世界観のもと、「文具女子博」ならではのオリジナルグッズやイベントを取り揃えています。2020年3月には、東北地方で初となる「文具女子博petit仙台」を開催いたします。
文具は本との親和性が高く、書店の粗利益改善にもつながる商材です。文具熱がさらに高まり、店頭へ足を運ぶお客様が増えるようなイベントを、今後も開催してまいります。

〇PB商品の開発
オリジナル万年筆「Fonte」をカスタム仕様にした第2弾商品を、ペンケースやノートといった周辺商材と共に販売し、好調な売れ行きとなっています。また、「文具女子博」と連動したオリジナルトートバッグ「Old Resta」の第2弾の発売など、オリジナルブランドの強化を図りました。12月からは「ここから始まる、大人の嗜み」をコンセプトに、大人の嗜みとして所有してみたいアイテムを安価かつ高品質で提供する新ブランド「Greeful」が始動、全国の書店で販売開始予定です。
さらに現在、2020年のレジ袋有料化を見据え、店頭にて安価で販売できるエコバッグの開発を進めており、近日リリース予定です。

〇持株会社体制の推進
2019年10月、日販システム部と日販コンピュータテクノロジイ㈱を統合し、日販テクシード㈱を設立しました。ITを通じて、グループ共通の価値提供を行うとともに、外販事業も拡大し、プロフィットセンターとして機能することを目指します。
また、2020年4月より、日販グループのコーポレート機能を担う部署を集約し、シェアードサービスの新会社を設立します。これにより、コスト削減および業務の効率化と品質向上を図ります。

詳細は以下PDFよりご確認ください。
2019年度 中間決算報告

■本件に関するお問い合わせ
日販グループホールディングス株式会社 広報担当
TEL.03-3233-3829 FAX.03-3233-6045
E-mail:press@nippan.co.jp

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