E(環境)

脱炭素化の推進

配送の効率化

出版配送は、複数の荷主がいるなかで、業界全体でルール化して運用することで、
日本全国にほぼ毎日、膨大な量の出版物を計画的に運ぶことを可能にしている稀有な配送網です。
しかしながら現在、社会全体のドライバー処遇改善の動きや出版市場縮小による流通の効率悪化に伴い、
これまで維持できていた全国への出版配送が維持できなくなってきています。
この状況を打破するために、特に効率が悪化している現地配送の効率改善を目的として、配送コースの再編に取り組んでいます。
これにより、トラックの積載率と走行距離が改善され、CO₂排出量の削減にも効果が得られています。

協業によるエネルギー抑制

日販は、出版社から仕入れた雑誌や書籍を全国の書店やコンビニエンスストアに発送しています。従来は、各取次会社ごとに発送作業をしていましたが、他取次会社との協業をすることで、業界全体でエネルギー投入を抑えて、CO₂排出量を削減しています。出版共同流通では、2002年から返品業務の協業を行っています。出版共同流通蓮田センターでは、2020年11月より新たに㈱トーハンとの協業を開始し、業界全体のエネルギー消費の効率化を図っています。

出版共同流通蓮田センター

物流拠点の統廃合

日販は、物流拠点やFA設備の配置を見直し、統廃合を実施することで、より効率的な商品発送を実現し、エネルギー消費量の削減を実現します。雑誌発送拠点の統合では、コンビニエンスストア向けの整品工程の見直しを行ったことで荷姿の改善がなされ、梱包資材、伝票枚数の削減が図られています。

<統廃合の実績>
  • ・2017年 ネット用出荷倉庫(web-Bookセンター)を王子流通センターに統合
  • ・2019年 王子流通センター内を再編し、文具物流倉庫を新設
  • ・2020年 雑誌出荷倉庫3拠点(ねりま、浮間、入谷)を2拠点(ねりま、浮間)に統合

再生可能エネルギーの活用

再生可能エネルギーの活用及び再生可能エネルギー由来への電力の切替を推進しています。日販の王子流通センターの3号館は、2021年に導入した太陽光発電に加え、2022年4月から、再生可能エネルギー由来の電力に100%切り替えたことで、実質CO₂ゼロの物流センターとして、稼働しています。また、2023年3月より、ねりま流通センターでも太陽光発電を開始しました。

ねりま流通センターの太陽光発電パネル

循環型社会の実現

返品の古紙化・再資源化と
サステナブルな商品開発

出版共同流通では、返品された商品(雑誌、書籍及びCD・DVD等)の古紙化・再資源化を推進しています。
加えて、日販グループの新たな取り組みとして、古紙化・再資源化された素材を利用し資源が循環する
サステナブルな商品開発にも取り組んでいます。また、日販グループのESG活動をより身近に感じてもらいたいという思いから、
取次事業により生まれた循環素材を活用したゴルフティーをはじめとしたゴルフ関連ノベルティを製作、取引先へ提供しています。

ゴルフティーは日販の物流現場で使用している梱包資材を再生利用し、封筒とメッセージカードには返品された出版物の古紙を40%以上含む再生和紙を使用しています。

物流資材における脱プラ化の推進

日販グループ書店(全199店舗)のお買い物袋に、石灰石と植物由来樹脂を使用した環境配慮型の袋「Bio LIMEX Bag」を、2023年6月より導入しました。書店グループとしては、初の導入事例となります。石油由来プラスチックの使用量を年間約20t、温室効果ガス排出量を約72t削減できる効果が見込まれます。
オンライン通販サイト「Honya Club.com」の梱包資材を、2023年6月より、プラ素材を使用しない梱包(紙資材の梱包)に変更しました。プラスチックの使用量を年間約10t削減できる見込みです。
その他では、日販の物流拠点で出荷に使用している梱包資材(フィルム、バンド等)において、再資源化された素材を配合したものを使用する等、資源の循環活用とCO₂排出量の削減に取り組んでいます。

書店グループで初の導入となったBio LIMEX Bag
梱包に使用する帯、封筒はすべて紙素材を使用

自然との共生

オフィス・施設の緑化の推進

日本緑化企画は、オフィスや施設の緑化を通して、人と緑が共生する空間・環境作りを支援しています。また日販グループが保有する建物(日販本社、王子流通センター等)においても、屋上や周辺の緑化に取り組んでいます。

植物と共生するオフィス(日販 王子流通センター)

上士幌カラマツ林の保全

日販は、北海道中央部の上士幌町に、約35万坪(東京ドーム約25個分に相当)のカラマツ林を保有しています。
このカラマツ林は、定期的な間伐などの手入れをすることで、CO₂の吸収に貢献しています。

上士幌カラマツ林

※本ページの内容は、NIPPAN GROUP ESG Report 2023に基づいています。

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